煎餅の記録

Hey!Say!JUMP多め

カラフト伯父さんを見てきた

カラフト伯父さん初日おめでとうございます。

 
伊野尾くん初(外部)舞台で初座長初主演舞台おめでとうございます。その初日が見られるなんて、この感情を何と表現したらいいのか、、、書くほうが野暮に思えてくるくらい、うまく書けない気がする。
 
ややネタバレにもなりますが、自分の気持ちを書き留めておきたいので、思いついたままに書き連ねます。
 
まず、わたしは今日のことを忘れないんだろうなと。そんな日がまた一つ増えました。あの張り詰めた空気、静寂、におい、沸き起こるカーテンコール、拍手の音、スタオベ、そして伊野尾くんの笑顔や小さな仕草。
そして伊野尾くんの次元が上がった、と肌で感じた瞬間のことを。
 
今回、フラットな気持ちで見たいという気持ちもあったし、個人的には特に何かの心配もしていませんでした。直前までそれはそれは穏やかに過ごしていたのです。が。
しかし。
 
…やられた!
そこには、伊野尾くんはいませんでした。しかしちゃんと存在していました。
 
それは伊野尾くんでもあり、伊野尾くんではないという妙な感覚を覚えるものでした。
まず、伊野尾くんってこんなにも「表現」をできる人だったんだ!と驚嘆。帰り道一人で思い出して唸るわたくし 笑。新しい伊野尾くんの境地を見ました。
いつも冷静沈着な(※多分)わたくしが帰宅しても何もできずに放心。ダメージが大きくて。あの堂々とした振る舞いも最後の愛らしさも含め、主演で座長てこんな素敵なものだったんですね…。かっこいい。
 
恐らく世間一般も、伊野尾くんがマトモに演技をしているのを見たのがダークシステム、なるなる、そして書店ガールくらいだと思います。
なるなる→書店ガールを拝見した時点で、これは確実に演技が上手くなっている(※なるなるの脚本は特殊なので比較して良いのか微妙ですが)…と個人的には感じましたし、割とこれは多くの方が同感なのではと思っております。
 
しかし、カラフト伯父さんを見るともっと驚きますよ!
できれば伊野尾くんのことを何となくでも「知ってる」人に見て頂きたい舞台です。これは、これまでの伊野尾くんを「知っている」人たち、そしてこれから伊野尾くんと共に仕事をするであろう伊野尾くんを「知らない」人たちに向けたものなのかも知れません。
 
伊野尾くんがこれから外の世界に打って出る、現段階でのご自身の代表作としてこれほど素晴らしいものがあるだろうか、と思いました。正に伊野尾くんをこれから世に出すための舞台。
 
自分の中に徹くんの素養は無いと言ってた伊野尾くん。確かに、アンニュイな見た目に反して実は太陽属性なのかと思うくらい、家族も人間も好きで美味しいもの大好きで人に囲まれている愛らしい伊野尾くんと、心に鬱屈としたものを抱えて食べ物にも頓着がなく一人で「すみっこ」で暮らす徹くんは真逆の属性の人間です。
(徹くんは方言もあるけど口調が乱暴で(伊野尾くんも口が悪いけど性質が全然違う)、粗雑で、父親への愛憎が激しい。憎悪ではなく愛憎というところがポイントなのですが。)
 
しかしそれを踏まえると、この役は伊野尾くん自身の中にある感情の種を発掘したのではなく周りからの助言を得つつも感覚と読解力でゼロから積み重ねて表現したということになります。
そう考えると、表現者としての伊野尾くんの底知れぬポテンシャルを感じました。凄まじいよ!まず初めに声が全然違ったもん。これからTVやコンサート、その他で見る伊野尾くんもぐんぐん変わってくることが予想されるほどです。
 
ところで会見の文字起こしで共演の升さんに、「雨後のタケノコ」なんて表現されていたのですが、本当にそうなんだろうなぁ、と。これからぽこぽこ出てくるんだろうな。松永さんにも伸び代があると言われてるけど、演技仕事に関しては未知数だった伊野尾くんがここまで出し切るなんて誰が想像できたでしょう。
 
舞台自体はとても見やすかったです。内容は難しすぎず、簡単すぎず。でも考える余地もあってまだこれからあれこれ考えますが笑、きっと初めて見る人にも分かりやすいんじゃないかと。全体を通して見るとシリアスと笑いのバランスが程良かったです。
 
当初、シリアスな舞台なのかなと想像していたのにコミカルなシーンが何度も積み重ねられるので、あれれ?と思っておりました。
しかし後半の畳み掛けるような激情の表現がなされたときに、あぁ、この為に細かい笑いの積み重ねがあったのか!と感嘆しました。
まさに伊野尾くんの表現の静と動の現段階での極み。徹くんが怒りを爆発させて暴れるシーンで一気にジェットコースターのように振り落とされ、それまでの静の表現からの動の表現により大人になりきれなかった、徹くんが過去に置いてきてしまった心が表現されていて胸に刺さります。
 
内容としては、震災を経験していない側の人間としての感覚の対比もあるのかも知れないなと思いました。
まだ初見ではストーリー的にすっきりしない点も勿論あったんですが、それは追い追い考えてみたいなと思ってます 笑。
 
父親の悟郎は中々のダメ人間で(悟郎さんには今のところ共感できなかったりします笑)、悟郎のツレの女の仁美も大概なダメ人間で、その人間臭い表現も良かった。人間ってこれくらいクズで鈍感で愛おしいものなんだなと。
 
劇中、時折コミカルな表現の中で悟郎と仁美に振り回されつつも、悟郎には終始愛憎を抱き続けている徹くん、しかし底抜けに明るい仁美には比較的心を開いている徹くんの人間らしさや可愛げが描かれていているところは印象的でした。
 
たとえばあの椅子なんて本当にかわいいなぁ、と笑(未見の方、すいません)。妊婦にわざわざ作ってあげてるんですよ…。そんな風に少しほっこりしつつ、何故悟郎にあそこまで憎悪を?とこちらにも思わせつつ。
 
だからこそその孤独は浮き彫りに独白シーンはぐっときた。客席からすすり泣く声もたくさん聞こえました。因みに余談ですが、私ときたら、初座長初主演舞台の初日のこの感動的な瞬間を一瞬たりとも無駄にしたくないというクソみたいなおたく根性丸出しで涙の一滴流すどころか血眼で見ていたのですよ…。めっちゃ沁みてるのにめっちゃ必死な私…すいません…。
 
話戻ります。
帰宅してパンフを読んだのですが、その中の伊野尾くんの言葉の一節で腑に落ちた部分があります。そうか、とそこでストンと落ちた。これについてはまだ書かないでおきます。読んでほしいから。
 
ただ、このある種の読解力(と今は書いておきます)が伊野尾くんの誠実さと真摯さの源流なのなって、ふと思わせる良い内容です。
 
初日だからこその出来、というものもきっとあったと思います。緊張や、これまで積み重ねてきたものが初めて客に解放される場だからこその何かが。それほどにピリピリと張り詰めた空気を、終わった後の温かい空気を。私は忘れることができない気がします。
 
舞台初心者の伊野尾くんを支える升さんと松永さんはとにかく凄いです。役者さんとはこんなに生命力と説得力と声量があるのかと震えました。
伊野尾くんが話を牽引するというよりはお二人のやりとりに引っ張られるような演技をできる構造になっている(というよりお二人がぐいぐい引っ張っている)印象で、伊野尾くんにとっては舞台に立ちながらも吸収できることが多そうだなと思いました。これからが楽しみです。
 
伊野尾くん自分自身のポテンシャルのその先に確かな手応えを感じているんじゃないかなぁ、と思っています。それくらい、良かった。伊野尾くんが自分の中にはないと語っていた、感情の宇宙が拡大したのではないかと。ここから伊野尾くんは更にタケノコしちゃうよ…!
 
カーテンコールのいつもの笑顔の伊野尾くんや、少し素に戻っていた瞬間の伊野尾くんも全部きれいに磨いて閉じ込めておきたいくらい美しかった。造形美としては勿論だけど、そうではなく存在として。美しく清潔で人間臭くて…この世の賛辞を全部詰めたかった笑。
 
ファンにとってはこりゃーサービスシーンだなと思われる部分もちらほらありました笑。運転とか、溶接とか。お菓子やバナナ食べてたりとか手すりも私にはご褒美ですッッ!あ、他にも割とたくさんご褒美でした。
 
タオルが取れたのは演出でしょうか。頭に巻いているときは成人男性っぽさが増すし、取った後は子どもっぽさというかか弱さが強調されるように思いました。
 
神戸弁に関しては、ん?と思うポイントもありつつ。でも神戸の人の喋り方って確かにあんな感じなのかも、、?という感じでした。そもそも方言なんてあまり気にならなかったんだよなぁ。そしてこれがまたブラッシュアップされて、伊野尾くんの新たな一面がもっともっと磨かれていくのかと思うと身震いします。
 
思うところはあっても明日以降に持ち越します!今はこの感動を大切にしていたいです。本当に内容めちゃくちゃな文章だけどそれくらい頭がめちゃくちゃになったということです笑。
 
これからの可能性を感じさせるだけじゃなくて、今までこ伊野尾くんからは考えられない表現、境地が見られるので本当に一度是非、観に行ってくださいませ…おやすみなさい!